2020年

変化の理論(Theory of Change )

「私が9歳のとき親友は死にました(When I was nine years old, my best friend died.)」
少女の話は強い一文から始まります。喘息で亡くなった親友に何か処置をしてあげられたのではないか、という後悔を抱えていた彼女は、銃撃に対する救命処置講座に参加しました。そして翌年の夏、彼女は銃撃事件に遭遇します。銃撃を受けた19歳の少年がJourneyのアパートに向かって助けを求めて来たのです。Journeyと彼女の母は彼を救いました。事件の数月後、彼女は少年の家族全員25人に救急救命のトレーニングを行います。

シカゴに住む黒人として彼女が普段どう感じているか、銃撃事件が起きたとき何をしたか、当時を振り返ってどう思うか。リアルに感じました。等身大のまま強い彼女がすごく好きです。

the Mothを知ったころに見て強く感動し、それからthe Mothを追いかけるようになったので、私にとっては思い出深いエピソードです。

この経験は私に大きな自信を与えてくれました。人生で最も大きく私を変えた出来事でした。

It was the most changing thing that I've ever been through.


この経験を通して、変化は輪のようなものだと学びました。私が銃撃に対する救命講座に参加したことで始まった輪は、Peterの家族にトレーニングを行ったことで完全な輪になったのです。

And it's shown me the circle of change. And me training his family was this entire experience coming full circle, because I started at a training just like that one.


「子どもたちは未来だ」という言葉をよく耳にしますが、それを聞くと怯えた気持ちになります。「未来を変えるのは君たちだ」と言われると「なんてこと」と思います。しかし一連の経験をした今、私は未来になる必要はないのだと分かりました。なぜなら私は今すぐに変化を起こせるからです。

And I thought about it, and I hear all the time, "Children are the future." and I'll tell you guys, I'm a child, I'm a teenager, and it's super intimidating. You know it's like 400 years of slavery, an eternity of sexism, it's intense, and you guys are like, "It's you" and I'm like, "Oh my God." But this experience showed me that I don't have to be the future, because I can be right now.


呪い(The Curse)

占い師に「あなたは呪われている」と言われたDameは、呪いを解くためにあらゆる手を尽くす。魔術講座に申し込んだ彼女は、そこである女性と出会いました。

一人の女性が部屋を横切ったとき、すべての照明が消えて、そこにいるすべての人がいなくなったように感じました。ロマンチックな瞬間。頭をよぎる自分の声を除いては。「私は黒人で、女性で、異教徒なのに、そのうえレズビアンを加えるっていうの?」

I look out and this woman is walking across the room. All the lights seem to go out and all the people in the room seem to disappear. And all I can see is her. Now this could have been a romantic moment except that voice in the back of my head says "You're black, you're a woman, you're a pagan. Are you sure you're gonna just add lesbian to that list?

これだけ読んでもどこが面白いのかさっぱり分からないかもしれませんが、彼女の行動力、喋り方、考え方、どれも突飛で笑わずにはいられません。英語を完全には理解できないのですが、引き込まれてしまいます。まったくすごい話術です。


軌道(Orbit)

Annalise(アンナリーゼ)はシングルマザー。彼女の娘Kaylee(ケイリー)は、思い描いたことを具現化する才能を持っていました。7歳の誕生日にKayleeが犬がほしいと願ったところから物語は動き始めます。彼女の能力に気が気でないAnnaliseと、やはり願いを具現化してしまうKayleeが面白くて何度聞いても笑ってしまいます。

しかし彼女の力は強大でした。一ヶ月に、なんてこと、犬が庭に現れたのですから。
But her powers are legion because, a month later, god-dang it, dog shows up in our backyard.


心拍数360(360 Beats Per Minute)

Isobel(イザベル)は、心臓が早鐘のように打つ病気でした。彼女が死の淵に近づいた経験。聴いているこちらもドキドキします。

私の心拍数は360でした。医師たちはモニターを見て、私を見る。私は彼らを見て「私は大丈夫なのだ」と思える何かがないか探していました。

My heat was beating 360 beats per minute. So they look at the monitor. And they are looking at me. And I'm looking back at them, hoping to just find someting in their eyes telling that I'm gonna be okay.

運命じゃない恋(A Love Not Meant For Me)

16歳年下の男性に恋した女性。お互い好き同士だったのに、彼とは一緒になれないことに気づいて泣いた。数年後、彼の子どもに会ったときこみ上げる思い。美しくて悲しいお話でした。

私たちはよく古い教会に行きました。彼は古い鍵のついたキーホルダーを持っていて、それを使えばどんな教会にも入れるんです。扉を開けこっそり中に入ると絵画を見ました。私はいつもそこでセックスしたがったので、彼は私を「プエルキート」と呼ぶようになりました。スペイン語で「子豚」という意味です。彼に言わせると、私はフランスにあるすべての聖地を汚しているそうです。でも、彼だって決してNoとは言わなかったので、私も彼のことを「プエルキート」と呼びましたよ。

We used to go up and climb in these old churches. He used to have this key ring with old keys that would go into any church. And I'd open, then we'd sneak inside and look at the paintings and I always wanted to make love in there. So he started calling me "puerquito" that means "little pig" in Spanish because he said I was defiling all the holy places of France. But he never said no, so I called him "puerquito" too.


異常な正常さ(Unusual Normality)

Ishmael(イシメール)はシエラレオネで少年兵として戦った後、10代でニューヨークにやってきた。他の子どもたちと戦いごっこをするなかで、彼らがいかに幸せかを思う。遊びの無邪気さと彼の境遇が対照的で、余計に悲しくなります。

私は幸福や正常さなどまったく信じていなかったから、ニューヨークに来たとき、その普通から始める必要がありました。

I didn't trust in happiness or any kind of normality at all. So when I was in New York, with my mother, we needed to take a start with that normality.


到着するやいなや、私はすぐにその地形を記憶しはじめた。そしてこれは習慣によるものです。家まで何歩あるか、最初の木まで何歩あるか、最初の木立まで何歩あるか、小屋まで何歩あるか。木と木の間も知っていました。一晩中、みんなが寝ている間、地形を記憶するためにこれらを頭のなかで再生してみた。これは習慣から生まれたものです。以前の人生では、これは生きるか死ぬかを決めるスキルでした。

But as soon as we arrived, I began to memorize the terrain immediately. And this was from habit. I knew how many faces it took to the house, how many faces it took to the first tree to the first Bush to the shed. I knew the spaces between the trees. So overnight, while everybody was sleeping, I tried to replay some of these things in my head to memorize the terrain. This was coming out of habits because where I was coming from my previous life, this was life or death, this kind of skill set you can determine whether you live or die.


私は彼らに理解してほしかった。戦争ごっこをするだけで、実際に戦争をする必要がないのは、非常に幸運なことなんだと。彼らの素朴な無邪気さは、私にはもう持てないものでした。

I wanted them to understand also that, it was extremely lucky for them to only play pretend war and never have to play to do the real thing. This naive innocence that they have, but what was something that I could no longer have.


行け!ヴァナエ、行け!(Go, Venae, Go!)

陸上をしていた彼女を父は応援した。子どもにとって親が恥ずかしい時期がありますが、大人になると考えは変わるものですね。面白くて良い話でした。

私は27歳のときに父を失い、もうその言葉を繰り返してくれる存在ではなくなってしまいましたが、心配する必要はありません。なぜなら困難にぶつかりもうダメだと思うたびに、世界で最も美しい声で「行け!ヴァナエ、行け!」と言うのが聞こえるからです。

I lost him when I was 27. And he's not there to repeat those things to me anymore. But I don't have to worry because every time I get to a corner and I think I'm not gonna make it, I can hear the most beautiful voice in the world saying "Go, Venae, Go!"