Windowsの思い出
私はこれまでWindowsを使ってきました。小学校で触れて以来、プライベートも仕事もすべてWindowsでした。Windowsは長く使ってきて思い入れがありますし、今でも好きです。調べ物をする、YouTubeを見る、音楽を聴く、日記や記録をつける、ホームページを更新する、動画やPodcastを編集する、といった私の必要のすべてを満たしてくれる万能で安定したOSです。
UNIX(Linux)へのあこがれ
Windowsで私の必要は満たされていたのですが、大学生のときに「UNIXという考え方」でUNIX哲学に出会い、魅了されてしまいました。
まず、その自由さが好きです。様々なディストリビューションがあり、カスタマイズできる。私は心底、自由を愛しているんです。
UNIXのミニマルな考え方も気に入りました。"Small is beautiful."です。大きなシステムを組み立てるために小さな部品を組み合わせることで、実行速度が早くなり、設計がシンプルになり、融通がきくようになり、移植性も高まる。「部分の総和は全体よりも大きい」というメッセージにハッとしました。
UNIXがCLI(コマンドライン・インターフェース)を重視するところも好きです。CLIでコンピュータは力を最大限に発揮することを理解しました。
UNIXは「ユーザーは自分が何をしているか分かっている」という前提に立って作られた、とんでもないOSですが、その尖り具合がむしろ好きです。ユーザのために操作をお膳立てしてあげるほうが使いやすいですが、それでは一般向けの使い方しかできず、つまんないです。「UNIXという考え方」を読んで以来、いつかUNIX(Linux)に移行したいと密かに憧れてきました。
Linuxへの移行は難しい
何度かLinuxへの移行を試してみるも困難が多く断念してきましたが、生成AIが登場し、彼らに聞きながら操作を覚えていけばLinuxにも移行できるのではという希望が出てきたので、改めてLinux移行について真剣に考え始めました。しかし、まだLinux移行は難しいというのが今のところの結論です。難点は3つあります。
まず、動画編集です。調べたところ、「動画編集はLinuxでもできるがデバイス周りで困難が多い」という感じでした。
2つ目がオーディオインターフェースです。私はZoomのUAC-232を使っています。このオーディオインターフェースの特徴である32bit float録音がLinuxでも実現するかが不安だったのと、ループバックの機能を使うのに必要な専用アプリがWindowsとmacOSしか提供されてないことが大きいです。ループバックって地味に便利で、YouTubeをループバックで録音して文字起こしするのに使っています。もしかしたらmacOS向けのアプリをLinuxでも利用できるかもしれませんが、不安が残ります。
様々な困難があっても時間をかけてトラブルシューティングをすれば乗り越えられるとは思いますが、今のところ私には仕事もあり、家事もあり、他にもやりたいことがたくさんある中で、Linuxのトラブルシューティングに十分な時間を捻出するのが難しいと判断しました。
今すぐは難しいとしても、将来的な移行に向け、時間を見つけてRaspberryPi5で試行錯誤を重ねたいと思います。
Linux移行に向けた足がかりとしてのmacOS導入
Linuxへの移行はいったん見送るとしても、Linuxに近づく方法としてmacOSに移行することにしました。macOSはUNIXベースのOSなので、Linuxに似ている部分はかなりあります。
・macOSにもパッケージ管理システムがあります。Homebrew(自家醸造)という名前が面白いですね。・また、macOSのシェルスクリプトzsh(ズィーシェル)は、Linuxで主流のシェルbashをベースにして開発されたため、基本的なコマンドやシェルの構文の多くは共通しているそうです。zshは、ユーザーの利便性を高めるための多くの拡張機能が追加された「bashの上位互換」のような位置づけ、とのこと。
・プロセス管理やタスクスケジューリングの概念も、macOSとLinuxで共通している部分があります。
・他にも、フォルダの構造がLinuxに似ていたり、シンボリックリンクやパス区切り文字がLinuxと共通していたりします。
macOSの残念な点は、自由ではないことです。Linuxはさまざまなディストリビューションがあるのに対して、macOSはApple社の提供するOSに限定され、カスタマイズ性もLinuxと比較するとはるかに限定的です。
ただ、Linuxに近い部分が多く、動画編集や周辺機器の接続も安心できることを考えると、Linux移行に向けた足がかりとしてmacOSはすごく魅力的だと思いました。
macOS Miniと、macOSのコマンドライン操作を解説した本「macOS×コマンド入門」を買いました。少しずつ設定して行きたいと思います。これまでWindows powershellで書いていたシェルスクリプトをbashに書き換える作業もせねば。
今後の展望
まずmacOSのLinux的な部分である、フォルダ構成、パッケージ管理システム、シェル、タスクスケジューリング、シンボリックリンクを実際に触って理解したいです。その他にも(Windowsで実現できることもありますが)いろいろ試したいと思います。
・すでにWindowsでGeminiの力を借りながらPythonでいくつかツールを作っていますが、もっと便利ツールを作っていきたいです。今はGeminiが教えてくれたコードの意味を理解せずそのまま使っていますが、文法と構造も理解したいです。プログラミングやPythonに関する本を読みたいと思います。
・日常的にCLIで操作できるよう練習したいです。Windowsではファイルを開くのにExplorerを使っていますが、macOSではターミナルですべての操作をできるようになりたいです。
・AWSを操作するのにブラウザを使っていましたが、定型的な部分はAWS CLIで操作できるようになりたいです。操作をまとめて記述し、一括で呼び出すことも検討します。
・正規表現を覚えて使いこなせるようになりたいです。書き物をしていると正規表現で一気に処理したくなることがあるのですよね。
やりたいことはたくさんあります。コンピュータの能力を最大限に引き出して自分の作業を効率化し、ひいては私が自分の活動に集中して取り組める環境を作れたら最高です。もたらされる結果も大きいですし、そこに至るまでの道のりもきっと楽しいでしょう。とてもワクワクしています。