好きになる努力、その日が吉日

苦手なことや興味が持てないことに取り組むときの合言葉、好きになる努力、その日が吉日、というお話をします。

私は2020年に会社に入ったとき、希望していなかった経理に配属されて戸惑いました。経済学部出身でしたが、会計は入門の科目を一つ取っただけで、正味何も知らない状態だったのもあります。もう一つは雰囲気。「自分のお金で好きなものを買って、自由時間は趣味を楽しむぞ!」と思って会社に入ったのに、経理部では常に勉強し自分を高めていかなければならない雰囲気があり、「しんど」と思っていたのをよく覚えています。業務を改善したり、仕事の幅を広げたりすることが大切なのは、今は理解していますが、当時はまだ大学生気分でしたからプライベートの時間に会計の勉強をする気には全くなれませんでした。(入社直前に、初めての彼氏ができて浮かれていたというのもあります。)とにかく入社して2,3年はそういう気持ちだったと思います。だんだん「会社で活躍するにはもっと勉強しなくてはいけないなあ」と思うようになったものの、それほど勉強が手につかない状態でした。苦しみながらなんとか簿記2級は取ったものの、抵抗感は消えず。

これは会計だけではなく他のことでもそうです。私は、興味のあること・好きなことなら没頭して、いくらでも知識を増やせるのですが、興味がなれなければ何もできない。これは私の長所でもあり短所でもあります。この問題はなんとかしなければならないとずっと思っていました。興味がなくてもしなければならないことはあるし、興味はないけど「できる」という状態に持っていきたいということはあるからです。例えば、英語の勉強は興味がないけど、英語がもっとできるようになったら洋書も読めるし、英語の動画を見られるようになって、人生が楽しくなるじゃないですか。だから、興味がないことでも頑張るにはどうすればよいか、というのが私の課題でした。この課題に完全な答えが出たわけではありませんが、でも「好きになる努力をする」というのは大切だと思うようになりました。

例えば、会計では何か興味を持てる話題がないか探していました。誰かが話している内容から興味深い話が出てくれば質問してみたり、家に帰って調べてみたり。会社では「週刊経営財務」という週刊誌を購読していたので、それにさっと目を通して理解できる記事はないか探したりもしました。毎日簿記を勉強するほどのエネルギーはなかったものの、そうやって会計のなかで自分が興味を持てるトピックがないか探すうちに、理解が深まり、周りの仕事の点と点が繋がって流れが見えてきて、面白くなってきました。自由時間のすべてを捧げるほどではないものの、本を買って読むようになりました。「経理ならそれくらい当たり前でしょ」と言われてしまいそうですが、入社当時の私からしたら信じられない進歩です。

英語の勉強も同じアプローチを取りました。つまり、自分と英語の間に接点(興味が持てるテーマ)を探すアプローチです。私は「英語を学ぼう」という題材で勉強するのは興味がないのですが、物語が好きなので、その方面から攻めてみました。比較的平易な英語で書かれており、かつ、ここが一番大事なポイントですが、自分が興味が湧くテーマの本を選んで読んでみました。(私が読んだ洋書はホームページで紹介していますので、よかったらどうぞ。)その他にもStorytellingの動画を字幕付きで見たり、本を紹介するPodcastを聞いたりもしました。

好きになる努力とはそういうことです。すぐに夢中になれなくても「こうしたら興味が持てるかな」「これなら続けられるかも」とさまざまな方面から試してみる。最初のきっかけが見つかれば、あとはずっと楽になることが多いです。小さな雪玉が転がり始めれば、自然に加速して大きくなりながら転がっていく、そんなイメージです。

ただ、そうやって好きになるまでには時間がかかり、その間に周りの人はずっと遠くまで行ってしまっていたり、「今さらやってもなあ」という気持ちになったりすることもあります。でも、やる気を下げてしまってはすべてが水の泡。そんなときは「その日が吉日」と思うようにしています。やる気が出たときが吉日、好きになったときが吉日、始めたくなったときが吉日。その日こそが始めるべきタイミングであり、「もっと早くやればよかった」「今さら意味がない」と思わない。

苦手なことや興味が持てないことに取り組むときの合言葉、「好きになる努力」「その日が吉日」。おすすめです。