洋書のすすめ

洋書を読む

「洋書なんて読めるわけない」大学生の私はそう思っていました。ペンギンリーダーズのような、いかにも初心者向けの(たいして興味のない)薄い本を読むしかないと思っていました。でも、よく探せばもっといろいろ選べます。日本語を超えてたくさんの本が読みたい方へ。新しい世界へ踏み出しましょう。



洋書の探し方

1.好きな本を選ぶ

洋書を読むには強い動機がいります。「これを読みたい」という情熱。さもないと英語に心を折られます。自分が好きな本を手に取りましょう。難易度が合っているかどうかはその次です。

Book Riotというサイトはおすすめです。ミステリ・SF・ロマンスなどジャンル別に本を紹介しているので気に入ったジャンルの紹介記事を読んでみてください。本の見つけ方はこちらでも紹介しています。


2.難易度

日本語訳が出ていれば、一般読者向けの洋書も読みやすいです。

ヤングアダルト(中高生向け)は狙い目。USA版のAmazonサイトには本のカテゴリごとのランキングがあり、Teensを探すといいです。さらにカテゴリが分かれているのでTeens向けの〇〇を探してみてください。ベストセラーはYoung Reader's Edition(原作を平易な文章で書き直したバージョン)が出ている場合もありますし、原作を短くまとめたSummaryが出ている作品もあります。

試し読みして文体が自分に合うかどうかチェックするのは大事です。英語力だけでなく、好みの問題もありますから。



洋書の読み方

毎日少しずつ読む

通勤電車の時間、お風呂上がって髪を乾かす時間など、毎日時間を決めておくのがおすすめです。英語を読むのはエネルギーがいりますから、一度にたくさんは読み進められません。小さな時間を積み重ねていきましょう。

電子書籍で読む

洋書はKindleで読むことにしています。単語の意味をすぐに調べられるのは大きなメリットです。辞書を引くのに手間がかかるようなら読むのをやめてしまいますからね。電子書籍は進捗が分かるのもいいところ。「今日は1%進んだ」「もう50%だ」と分かると嬉しいものです。

途中から楽になる

4分の1を超えたあたりから楽になります。その本で使われる単語の意味が分かってくるから。最初の困難がずっと続くわけではありません。

無理に読まない

疲れた日は読まない。日本語の本を読むか、YouTubeでも見ましょう。その本がつまらなくなってきたら読むのをやめましょう。読書は自由です。義務はありません。つまらない本は捨てて次に行くべし。



おすすめの洋書

実際に私が読んだ本です。1年に1冊か2冊のペースで読んでいます。


1.Born on a Blue Day(青い日に生まれて)by Daniel Tammet

あらすじ:4は内気で物静か、89は舞う雪のよう。ダニエルは数字に色や感情、動きを感じる共感覚者。円周率2万桁を暗唱し10言語を操るが、アスペルガー症候群で人の感情が分からない。「普通になりたい」と苦悩する彼が、「人と違う」自分を認めて辿りついた生き方とは。不思議な脳と柔らかな心を持つ青年の感動の手記。

日本語版の「ぼくには数字が風景に見える」を読んで気に入ったので原書に挑戦しました。私が読み切った初めての洋書です。内容も素晴らしいですし、Danielの英語は分かりやすいのでおすすめです。


2.How to Have Impossible Conversations(不可能な会話をする方法)by Peter Boghossian

あらすじ:異なる意見を持つ人と合理的な会話をすることは不可能に思えます。ネット上でも、教室でも、オフィスでも、親戚との夕食でも、意見がぶつかり合うと対話が途切れてしまうのです。本書は、気候変動、宗教、ジェンダー、人種、貧困、移民、銃規制など、どのような問題であっても、会話を成功させるために必要なテクニックを紹介します。

日本語に翻訳されていないのですが、コミュニケーションに興味があったので読みました。抽象的な単語が多いですが、中高生で習った馴染みがある単語ばかりだったので、それほど苦労はしませんでした。ただ、似たような話が繰り返されることもあり、そういう箇所は飛ばし飛ばし。内容は良かったです。コミュニケーションの心得を学べました。


3.Hidden Figures(隠された数字/知られていない人物)by Margot Lee Shetterly

あらすじ:1943年人種隔離政策下のアメリカ。数学教師ドロシー・ヴォーンは、黒人女性計算手としてNASAの前身組織に採用される。コンピューターの誕生前、複雑な計算は人の手に委ねられ、彼らは計算手(コンピューター)と呼ばれていた。やがて彼らは宇宙開発の礎となり、アポロ計画の扉を開く

実話です。映画「ドリーム」を見て感動したので原作に挑戦しました。私が読んだのはYoung Readers' Edition。読みやすかったです。日本語訳もあります。「ドリーム NASAを支えた名もなき計算手たち」。


4.Writing Down the Bones(心の真実を書く)by Natalie Goldberg

あらすじ:自己表現したい/書きたいのに書けない/もっとうまく書きたい…そんなあなたも、“書けるひと”になれる!

日本語訳は「書けるひとになる! ――魂の文章術」これは私の愛読書。書きたくなる本です。普通の人とは全く違ったアプローチで、書くことに迫っています。湧き上がってくる情熱に素直になれます。日本語訳で読んだ好きな表現を英語でも味わえて2度おいしかったです。


5.Fashion Climbing(ファッション上昇志向)by Bill Cunningham

あらすじ:彼にファッションを撮られ、ニューヨーク・タイムズに掲載されることはニューヨーカーにとっての最高のステータスだった……。カニンガムが自らの人生を生い立ちから告白、記者として純粋なファッションへの評価を貫いた武勇伝、その哲学を語る。

日本語版は「FashionClimbing ビル・カニンガムのファッション哲学

内容の感想はこちら。とても面白いです。映画も合わせて見ていただきたい。

英語は平易で読みやすい。ファッションに関する固有名詞が多く出てくるので都度、調べたほうがいいです。

知っておくといい単語
・millinery:帽子屋
・ball:ダンスパーティー。ball roomはダンスホール。
・social climbing:社会的・経済的上位層を目指すこと(題名はここから)
・ファッションを形容するのに使われる単語
 marvelous, elegant, gorgeous, glamorous, sophisticated
・素材など
 fabric, crepe, velvet, satin, sable(クロテン), chinchilla(チンチラ)