1 青い城
2 ゼロの焦点
<感想>
・大学生のときに読んですごく良かったので再読。やはり良かったです。内容をかなり忘れていまっていて悲しくなりましたが、新鮮な感動を味わえるのは得ということにしましょう。
・作中に出てくる作家・ジョン・フォスターが内気なヴァランシーを奮い立たせるシーンが良かったです。
ヴァランシーはまさにストーリング師に従おうとしていた。一緒に家へ帰らねばならないのだーそして、諦めるのだ。またもや、ドス・スターリングに逆戻りし、残された何日、いや何週間かを、もとのようなおどおどした、とるにたらない女として過ごさねばならないのだ。それが彼女の運命なのだーこの冷酷な、つきつけられた人差し指に象徴された運命。がなりやアベルが予定された運命からのがれられないのと同様、彼女もこの指から逃げることはできないのだ。彼女は魅入られた鳥が蛇を見つめるように、指を見つめていた。その次の瞬間ー
「恐れは原罪である」突然、静かな、ささやくような声が、遠くー遠くーヴァランシーの意識のずっと奥の方から響いてきた。「世の中のほとんどすべての悪は、その根源に、だれかか何かを恐れているという事実がある」
ヴァランシーはすっくと立ちあがった。まだ恐れに縛られてはいたが、魂は再び自分のものになっていた。心の中の声をいつわってはならない。
・モンゴメリがスターリング家の人々を面白おかしく描写しているので、なんだか嫌いになれません。
<感想>
・松本清張(まつもとせいちょう)は、私の地元・北九州出身の作家。私が中学生のときに、松本清張生誕100周年のイベントとして、学校で何かの感想文を書かされた記憶がありますが、何を書いたのかも覚えておらず、おそらく適当に書いたのだと思います。そんな私が清張の魅力に気づくのは、高校生の時。フジテレビ開局55周年特別番組として放送されたドラマ「顔」を見て、松雪泰子さんの怪演に衝撃を受けました。ものすごい作品でしたね。以来、清張の特別ドラマを見たり、朗読を聞いたりしていました。印象的なのは、朗読で聞いた「家紋」。これは恐ろしいお話です。
・悲しいお話です。歴史の悲しい面を感じるという点では「砂の器」に似ています。
・金沢や能登半島の寒く寂しい雰囲気が印象的でした。
・松本清張(あと山崎豊子さん)の作品は大変興味はあるものの、内容が重厚で本を読むのは難しいかなあと思っていたのですが、「ゼロの焦点」はすらすらと一日で読んでしまいました。読みやすく、次のページをめくりたくなる、推進力のあるお話です。
・第3者が語る形で物語は進みます。その語り口が堅苦しくて、いかにも"松本清張"という感じです。そこが好きなんですけど。
・さまざまな描写や言葉遣いから昭和を感じられ、タイムスリップしたような感覚になります。
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